さて、前にも記述しました2号機の件
1号機のエンジンを2号機に搭載し、2号機のノーマルエンジンを1号機へ積み替えると言うもの。
1号機は街乗り専用機とし、今後のレース活動は2号機で行う企画。
前にも記しましたとおり、10年以上はエンジンをクランキングされていない。
シールの類もそうなりますと信用ならないしと言うことで
転ばぬ先の杖
腰下割りからのシール交換、つまり、ゴム類は全て取り替えましょう作戦です。
エンジンは3人がかりでワッショイし、ここから先は私一人で作業となります。
オイルは入ってましたが、腰上は完全にドライな状態で、まずはプラグホールからの潤滑攻撃を行い、ヘッドカバーを取り外してカム山への潤滑攻撃を行います。
もったいないですが、LUBIRD RACING4T 15W-50を惜しみなくかけていきます。
潤いを与えたらハンドクランキングで一通りいきわたらせた後にドレンパンからオイルを抜き取ります。
あとはいつもどおりドレンパン・クラッチ・ロアケースを分解。
コンロッドキャップも外して潤わせて追いたら、あらかじめ発注しておいたオイルシールへ交換していきます。内部も軽くフラッシングを行い、終了!
文字で書いてしまうと数行で完結ですが、実作業はそうはいかないんだよ?(笑)
ここから先は一人でEGを搭載してしまうケンシロウの様な力は小生もっていませんので週末ヒロインスタッフ達を招集してからにします。
このエンジン、分解してみると改めて思いますが、ちょうど空冷と油冷の端境期なんだなとつくづく思います。
メーカーが色んな事にチャレンジしていた時代のエンジンです。シリンダーピッチは狭く
エンジンをコンパクトに造りたかった苦労が伺えます。
オイルクーラーの純正装着を許さなかった時代背景。オイルリザーブタンクと称する為にオイルパンはIN/OUTのラインこそ取り付きますが、強制的にはオイルクーラーへ圧送されていません。
という事は油温がバランスしてしまうと、オイルクーラーは冷やしたオイルをエンジンに戻す訳でもなく
ただの予備タンクとなるのです。しかも高回転でオイルポンプが作動している間は油圧は高くなり
クーラーへ回らず(多少は回るでしょうが)にオイルパンのバイパスラインからエンジン内部に送られるシステム。
確かにこれではオイルクーラーが冷却に一役買えないでしょうね。
何故か同系のGSX750E4はまだコントロールバルブが装着されており(オイルフィルターにあるような構造)ある程度の油圧では開放しないようにはなっています。
このバイパスラインを殺さないとオイルクーラーの性能をフルには発揮できそうもありません。
S3のオイルパン構造に関してはまた後日改めて考察・記述を書きたいと思います。
兎に角、今回のSATSUKI STAGEに限らず、WISECO816cc仕様が悪いのか
このエンジン余裕で130℃に到達します(恐)
今回、最大に苦しめられ、EG1機ブローさせたのも油温が原因のひとつであることは確かです。
改善策をよ~く検討します。
週末スタッフが来るまでに2号機の整備も同時進行していきます。
まずは、色々終わっていたステムベアリングを交換。恐らく足回りのコンバートだけして頓挫したんですね。ベアリングはゴリゴリでした(笑)
当店のHASCOさん家のプーラーで抜いてたんですが
見事にケージをデストロイ(笑)
やむなし、サンダーでインナーレースを削っていきます。
ある程度の厚みまで削ってあげると、素材の張力が抜けてこのようにパキっと音を立てて割れてくれます。
寸止めの極意。
アウターレースはサクっと外れてくれたので、あとは組みなおして終了!
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