前回の記事から大分時間が空いてしまってますが続きになります。
とりあえずキャブレターを車体から取り外してキャブレター単体でのオーバーフローチェックをしたところで記事は終わっております。
結果を言うと、オーバーフローもなく問題はありませんでした。
エンジンが不調になる原因は、燃料・空気・点火のいずれかにだいたい的が絞られるわけですが、今回の事案は「燃費悪化」。
燃費が悪くなると言う事は、例えばブレーキが引きずっていてもなるでしょう。
ですが、ブレーキの引きずりと言う仮説を立てるのであれば、ブレーキローターもしくは
キャリパーは過熱していないとつじつまが合いません。
この様に、ある仮説を立てて一つずつ裏を取っていきます。
考えられる仮説を一通り立て、探求していきますが
今回はどれも問題が見つけられません。
ここまでくると、実際に乗ってみて実燃費を再度計測してみる、いわゆる症状再現試験を試みます。
で、こちらも結論から書きますと、街乗りで27Km/ℓとさほど悪くない数字でした。
この車両、ボアアップされているのでノーマルよりちょっと悪いのは判っていましたが
予想より上々な結果。
さて、では原因はなんだったのでしょう?
考察ですが、W650はCVKと言うキャブが標準で装着されています。
CVキャブとは負圧式のキャブで、スロットル操作に対してとてもファジーな性格を持っています。FCRなどと違い、スロットル操作で直接的にスライドバルブを作動させておらず
文字通り負圧を利用してスライドバルブが作動します。
反面スロットル操作に対して「ダルさ」を感じてしまいます。
この「ダルさ」を改善したのがCVKです。
CVキャブに加速ポンプを装着しています。
一瞬のスライドバルブの遅れを加速ポンプによりガソリンを直接送り出すことによって、
「ダルさ」を改善しています。簡単に説明するとそんな感じです。
つまり、アクセル操作をエンジンが停止している状態でも行うと、加速ポンプから
ドバドバとガソリンが流れます。このあたりはFCRと同じです。
ラフなスロットル操作を行いすぎると、つまりは燃費が悪くなると言うわけです。
ついつい気持ちいいんでやっちゃうんですよね。
今回はそれが原因ではないかと言う結論に至りました。
FCRもスロットル操作が上手な人が乗ればSRで30Km/ℓは実績として出ます。
(もちろんきちんとセッティングが出されていることが条件になりますが)
と言うわけで、今回の事案はいったん終了。オーナーさんへお引渡し。
ありがとうございました。
いつもありがとうございます。ごちそうさまでした。
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