ブレーキってレバー(もしくはペダル)を握って(踏んで)効きます。
もちろんレバーを離せば(ペダルを踏まなければ)リリースされてブレーキは解放される。
当たり前な話なんですが、世の中この当たり前が出来ないバイクもあります。
その全てがメンテ不足だったりするわけですが、
大変な事は、「それがそもそも異常だと言う事に気づいていない」と言う事態です。
ブレーキが一度効いてしまったら、それ以降効きっぱなし。
もちろんシューも焼けますし、最悪はシューやドラムが過熱しすぎて発火したりもします。
2輪の場合は外気に触れやすい状態なので燃えたってのは聞いたことありませんが
4輪、しかも大型トラックなんかだと本当に起こる事例です。
2輪の場合、発火はしなかったとしても、ローターの歪みであったり、ドラムの異常摩耗や
シューがフェード現象を起こすのはありえます。
正しい「基準」を知ることで「異常」に気づくことができます。
と言うわけで、実際にブレーキレバーを開放しても、ブレーキがリリースされてなかったSR。
写真を見て、つっこみどころが判った人はなかなか鋭いですね。
そうなんです。突っ込みどころ満載な組み方なんです。
聞けば、元々はプライベーターさんたちで組み上げて作ったSRみたいです。
皆が持っているパーツを持ち寄って、1台のSRを作る。よくある話です。
リーズナブルにSRを楽しむ一つの手ですね。良いと思います。
ですが、ブレーキに関しては、それでは済まないと言う事も理解しておきましょう。
勿論、運転をする者は、「運行前点検を実施すること」という決まりが日本にはあります。
例えば、「テールランプが切れていたのに気づかなかった」はお巡りさんには通りません。
運行する前に点検をしていない者が悪いってことで、漏れなく整備不良を頂きます。
異常を認知した時点で適切な修理・整備を行っていれば何の問題もない訳ですが、
上にも記した通り、それが異常であると気付かないと、とんでもないことになるのです。
長くタラタラと本日は書いてますが、それはブレーキだけは命に直結するからです。
「走れない」と「曲がれない」はまだ諦めつくんです。
「止まれない」は本当に危ないんです。
ブレーキを長く引きずって走っていればタイヤにも負担がかかります。
と言うわけでタイヤ交換からスタート。
ブレーキシューももちろん交換。
リーディングカムの位置もおかしな位置で組まれていたので再調整。
そして、今回の事案の主犯格である、ブレーキワイヤー。
元々のワイヤー取り回しに無理があり、被覆が破れています。
こうなると内部はサビだらけで動きは悪いし、インナーワイヤーもほつれている可能性があります。
事故が起こってしまう前で本当に良かったです。
ちなみに今回車検のご依頼での入庫でしたが、
配線もめちゃくちゃでした。バッテリーは内部ショートした物が取り付いていたり、メインキーに問題があったりと、本気で治すには1台程度の良いSRが買える金額はかかってしまいそうなので、電装廻りは最低限での修理となりましたが、
オートバイは消耗品の塊ですので、定期的な点検・整備をオススメします。
一度正しい基準、正しいSRを知るためにプロに見てもらうのも一つの方法だと思いますので
自身の無い方はプロに一度ご相談することをオススメします。
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