ワンオフは何故高いのか

誰しもが一度は憧れるんじゃないでしょうか?ワンオフパーツに。

ボルトオンパーツが手軽に手に入る昨今、あまりワンオフをすることもなくなってきているような気もしますが、やっぱり既製品では納まらないようなオーダーだったりこだわる場合はワンオフしてしまうほうが結果的に満足度の高い物になり、愛車と末永く付き合っていけるんじゃないかなと個人的には思います。

しかし、価格も不透明な部分が多く、市販品に比べて高額になるケースがほとんどで、多くの人は

ワンオフしたいけどお金が・・・となりますよね?

納まりの良い精度の高いボルトオンパーツを設計されているサプライヤーさんも多数いらっしゃいますし、個人的にはそのサプライヤーさんのパーツをお薦めしておりますが、

ボルトオンパーツでも「高っ」と言われてしまう事もあります。

皆さん個々の予算もあるでしょうからこの辺りに関しては何ともいえませんが。

さて、話を戻して、ワンオフとは何故高いのか?そもそも高いのか?という事ですが

結論を言えば、高くはないと思います。既製品には無い細部に拘ってビルダーが出したアイデアや技術がそこには詰まっております。それにあえて価格を付けるならと言う価格ですから

そもそもボルトオンの既製品と価格の比較をすること自体がナンセンスなわけです。

たくさんのビルダーさんがいらっしゃいます。ビルダーさん個々にワンオフ製作のアプローチや技法など違うと思いますが、私のやり方を今回はお見せします。


今回は、このDAYTONA製メーターとACTIVEのメーターをSRに取り付ける為に

納まりの良いメーターステーを作ってちょ と言うミッションです。

そうは言ってもオーナーさんからマストとなる条件をいくつかいただいております。

1:出来るだけローマウント

2:メーターの裏が見えるのは嫌

3:配線が表から見えるのも嫌


書いてしまえば3つだけですが、この3つを融合させる為にまずは、実際の製品を見ながら思案します。


DAYTONA製メーターは電気式でメーター裏でセレクトスイッチがついております。

H-Dの純正メーターのように裏でトリップリセットをかけたりするので、メーター裏にカバーをかけるのは無理と言う結論に至りました。

但し、付属のV字型のステーを使って取り付けたんじゃ、私的にかっこわるいので色々考えます。


ビルダーさんによって色々なやり方があると思いますが、私はこういうとき、3DCADでまずは製図します。

実寸の状態を見て配置バランスなど確認しながら移動したり固定方法を考えたりと。

なので、DAYTONAメーターもACTIVEメーターも採寸して実際にCADでモデリングしておきます。


イメージはこんな感じ。

で、ある程度かけたら前もってモデリングしておいたメーター類をPC上でフィッティングしてみます。


こんな感じに。

ちなみにここまで、3時間ほどかかってます。効率が良いのか悪いのか判りませんが、

私はこうすることでPC上でレイアウトの整理と頭の整理、アイデアを出していきます。


メーターの裏を見せざるを得なくなりましたので、裏から見ても格好の悪くないようなデザインを考えていきます。


今回はこんな感じでDAYTONA製メーターを固定していこうかと考えました。

これならトリップ類のスイッチも操作できます。


ここまで出来たら実際に車体への作業を開始します。

1:1スケールでモデリングした部品をまずは1mm厚のアルミ板で切り出していきます。

いわゆるテストピースです。


こんな感じで実際に車体へ各部品をフィッティングしてみます。


テストピースを装着し終えたら、カウルを装着して、実際の位置を確認します。

だいぶ上ですね。

もっとローマウントしないとなりません。しかし、メーター裏のスイッチを操作できない位置まで下げたら意味がありません。

ここからは実際に車体へアルミカラーなどを用いて、「いい位置」を探っていきます。



「いい位置」まで下げられましたが、カウルに当初予定していたメーター固定用のボルト穴がかかってしまいました。

これでは装着できません。

ささ、設計変更。


最終的に、上下方向の位置は換えず、限界までローマウントさせ

かつ、カウルとの干渉のない形状で、メーター裏のトリップなども操作が出来る位置へ

納めるために

メーター固定用のボルト穴位置を変更、ここまでで丸一日を費やしました。

もう一度テストピースを作成するには時間も材料ももったいないので、初期型を加工して確認します。


ちょっとざっくりな形状ですが、この位置が限界のようです。あともう少しメーターとトップブリッジの取り付け部を手前にすればカウルとの干渉はかわせそうです。

当初はメーターステーを若干起こそうかと思いましたが、フラットで行っても乗車時にメーターの視認性に影響は出無そうでしたので、フラットの板材でもう一度テストピースを休み明けに製作し

確認してから本番に挑みます。

ここまでやってお値段いくらだと思います?

書けませんが(同業者様にご迷惑をかけてしまうのも申し訳ないので)

気になる方は直接聞いてください。高いとおもうか安いと思うかはアナタ次第です。

9-GATE Motor cycle maintenance/modefy

YAMAHA SR400/500をメインとしてメンテナンス/モディファイを行っているショップです。 SR専門と言うわけではございません。国産車輌であれば排気量問わず、メンテナンスやモディファイを行います。 また一部海外車輌(H-D・BMWなど)も賜ります。

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