(Wikiより)
動態保存(どうたいほぞん)とは、関連する業界内においてその機械類がほとんど運用されないような状態において、機械類が本来の用途としての動作・運用可能な状態で保存されている場合、もしくはその状態そのもののことである。動作・運用が可能ではない状態で保存する場合は静態保存という。
だそうです。
かくいう当店にもそんな状態の(ほとんど運用されていないような状態)の車輛が2台ほどあります。
一台は完全なる静態保存となっており、店内の奥深くに幽閉されているんですが
もう一台は動態保存されています。
ロードボンバーⅣです。
知る人ぞ知る名車っていえば名車。
知らない人から見たらナンバー取得もできないバイクのような形をしたオブジェって所でしょうね。
いろいろ訳ありまして当店にて保存中なのですが、
少し前からめっちゃ気になっていたのです。
ブレーキフルードが床に垂れてる。(動態じゃないじゃんw)
いや、治そうと努力はしていたのですが、何分当時レストアされた際のデータなどは無く
いったい何の部品を使われているのかを調べたり、当時を知る人達のお知恵を拝借したりと
なかなかすんなりと作業進行してなかったんですね。
もうこりゃ~いっそMOSキャリにでもしてしまおうか、はたまたBremboにしてしまおうかと
考えた時もあったのですが、そこはやはり当時の物を使わなきゃ意味がないってんで
仕事終わりの少し空いた時間に調べては部品を取ってみたりと。
59W型のTZ250やTZ350、TZ750などの部品を調べてみてもこの形のキャリパーではないんです。
83あたりのTZでは?との情報も頂いたのですが、残念ながら形が違いました。
調べたところ、TZ500のキャリパーであることが分かったのですが、リペアシールキットは廃番。
海外のサイトでリプレイス品がないかも調べてみたのですが、探しきれず。
シール類が取りようがないなぁ。と半ば諦めモードに入っていたのですが、ふと気づきました。
「ピストン径が同じならシール使えるんじゃない?」単純明快。
なんでこんな単純なことを思いつかなかったんだろう。
そこでピストン径を調べて、同径のピストンが採用されていた車体を調べていきますと。
ありました。
Z1000Mk-2などが同径です。
カワサキは親切で、まだまだこの辺りの車輛のパーツは純正が供給してます。
合わせ部分のシールは流石に合わないかもなあ、と思いつつやはりカワサキ純正部品をダメ元で取り寄せ。
シールの詳細寸法はどこにも記載がなく、また、規格品であるのは判っていても規格の品番が判らないからやはり寸法も調べようがない。
判っているのはシールの内径だけ。線径などが違えば、使えません。
いくらレーサーのTZでもこの部分までスペシャルで作っているとは思えないので、
今までついていたピストンシールと寸法比較。
結果はドンピシャでした。
合わせ部のシールは若干外径が小さいものの、フルードの通り道は確保されているのと
厚みがしっかりとあり、シール性が明らかに確実で高いのでこちらへ交換。
組み立ててエア抜き。
レバーを握って圧をかけてもどこからもフルードがリークしてきません。
めでたしめでたし。
これで動態保存に戻れました。
誰の得にもならない流用情報でした(笑)
次はあの静態保存車輛を。。。。と考えましたが、考えただけで〇〇〇万円が見えたので
やっぱり当面は見なかったことにしておきます(笑)
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